制服姫
咲希は、ふらふらと金網から離れ、ゆっくりとこちらを振り向く。

目が合った瞬間、咲希の目から涙が零れ落ちた。

「ハナ…。私は…ハナの恋の邪魔をしてたんだね。

私がシン兄に会うな、って言って…。

ハナ、苦しかったでしょ?」

「そんなっ…。そんなことっ…!」

無い、とどうしても口に出来なかった。

言葉は空を切るように、私の吐息と共に消えていく。

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