Februaryの奇跡


少し真剣な顔で、三宅さんは言った。


“手ごわい”

その意味が、あたしは分からなかった。


「何か…あるんですか?」


あたしは、三宅さんに問いかけた。

あたしの方を振り向いた三宅さんを見て、
聞かなければ良かったと思ったけれど、遅かった。



あたしは、家に着くなり、
三宅さんが教えてくれた言葉を思い出した。


三島さんの過去。


『茅は、高3のときに、当時の彼女を事故で亡くしてるんだ。
卒業してから1年間、ずっと家に閉じこもってた。
そのあとに大学進学を決めたから、未だ大学生ってわけ』


三島さんにそんなつらい過去があるなんて、思ってもみなかった。


その日、
やっぱりコンビニには、行けなかった。




< 11 / 24 >

この作品をシェア

pagetop