Februaryの奇跡
友人も、すぐに打ち解け、
数分後には笑いで溢れていた。
あたしは緊張で、上手く笑えていたか分からないけど。
「そういえば、名前何て言うの?」
友人と三宅さんが、二人で盛り上がりだした時、
三島さんがあたしに問いかけた。
「西井紗智です」
「俺は三島茅。茅でいいから」
そう言われ、頭の中で呼んでみた。
“茅くん”
すると、急に恥ずかしくなってしまった。
「茅さん、ですか?」
くん付けは無理だと思ったあたしは、一応確認のため聞いてみた。
「茅くんでいいよ」
そうにっこりと微笑まれ、あたしの心臓はキュッとなった。