Februaryの奇跡
「茅の元カノの話、しただろ?
彼女が亡くなってから、茅はチョコを1個も受け取らないんだ。
たとえ、義理チョコであっても」
その言葉は、
茅くんの元カノへの強い気持ちを、表すものだった。
「傷付くのは、西井だよ。
軽い気持ちなら、やめておけ」
三宅さんは、真剣だ。
真剣にあたしを止めてくれてるんだ。
傷付くのは、あたし。
茅くんの強い気持ちを、思い知るだけ。
それでもあたしは。
「…いいんです」
あたしは。
「傷付いても、かまいません。
あたしに、茅くんの気持ちを変えられる力が、ないことだって分かってます。
それでも、渡したいんです」