Februaryの奇跡


あたしは、ふるふると手を左右に振ってごまかした。


「三宅、いるかな?」

「三宅さん、ですか?」


三宅さんとは、この店1番のカリスマ店員。

23歳なのに、その腕のすごさは、店長も驚くほどだ。

国家試験も、一発合格だったと聞いた。


「少々お待ち下さい」


あたしは三島さんに頭を下げると、カットをしている三宅さんの元へと向かった。


「三宅さんっ。
お客様が、呼んでるんですけど…」

「ん? 俺を?」


三宅さんは、不思議に思いながらも、

カットしていたお客さんに声をかけると、入口へと向かった。

あたしも、三宅さんの後を追う。




< 5 / 24 >

この作品をシェア

pagetop