Februaryの奇跡
その日の帰り、
あたしはたまたま三宅さんと一緒になった。
「あれ?
三宅さん、今日遅いんですね」
「ああ…
ハサミの手入れしてたから」
電車通勤の三宅さんと、駅までの道を歩く。
「西井、茅と話してたみたいだけど、知り合い?」
突然、三宅さんが話を振った。
「知り合い、ってわけじゃないんですけど…
バイト先のコンビニに、よく行くので」
「そうなんだ。あいつがコンビニって、似合わないよな」
はははっ、と三宅さんは笑った。
「三宅さんは、随分仲良さそうでしたけど、お友達ですか?」
「ああ、うん。高校が一緒だったんだ」