Februaryの奇跡


その日の帰り、

あたしはたまたま三宅さんと一緒になった。


「あれ?
三宅さん、今日遅いんですね」

「ああ…
ハサミの手入れしてたから」


電車通勤の三宅さんと、駅までの道を歩く。


「西井、茅と話してたみたいだけど、知り合い?」


突然、三宅さんが話を振った。


「知り合い、ってわけじゃないんですけど…
バイト先のコンビニに、よく行くので」

「そうなんだ。あいつがコンビニって、似合わないよな」


はははっ、と三宅さんは笑った。


「三宅さんは、随分仲良さそうでしたけど、お友達ですか?」

「ああ、うん。高校が一緒だったんだ」




< 9 / 24 >

この作品をシェア

pagetop