ほしいのはあなただけ
みんなで一斉に振り返ってみると、そこには…。
「おッ!隼人じゃん☆」
「あ、だから隼人いなかったんだぁ」
「ゴメんッ、遅れてッ!」
隼人がいた。
本多隼人。
私の幼なじみ…で、
『まったく!初日から遅れるってどぉゆうことよっ!』
私の好きな人。
「仕方ねぇだろーッ!椎奈の世話とかしてたんだよッ!」
でも隼人はそんなこと知らない。
だってそんなこと知ったら隼人は私から離れていく。
言えるわけない。
だから言わない。
一生。
『そっかぁ。しーちゃん今日から入学かぁ!』
しーちゃんとは、本多椎奈ちゃん。
苗字のとおり、隼人の妹。
「しーちゃんって可愛いよなぁッ!ありゃ中学入ったらモッテモテだろーッ!」
なぜか自慢気な望。
「お前の妹じゃねぇだろッ」
冷めたツッコミをする隼人。
優しいねぇ…。
私だったら絶対流してたよ。