ほしいのはあなただけ

顔をちょっぴり赤らめて清くんに話しかける朱莉。

「だな…。すげぇにぎやかになりそぉだなッ」

少し呆れぎみだが、なんだか楽しそうに清くんは言った。

「ちょっと!アタシ隼人とクラス違うしっ!マジざけんなよぉ~」

遠くからの大きな声。

チラッと見てみると、茶パツのギャルがそこにいた。

堺明日香。

小3からの知り合い。

その時からずぅっと、私をライバル意識してる。

とにかくウザい。

『隼人ぉっ♪ムッチャ堺さんから愛されてますねっ!』

冗談っぽく隼人にそう言ってみた。

「はぁ?俺、あんな得体の知れない生き物に好かれても嬉しくねぇよッ。マジあぁゆうの勘弁してってカンジ!」

隼人はほんっとに嫌そうにそう答えた。

すごいその言葉にホッとする。

私って単純だなぁ…。

「良かったね」

突然のその言葉。

『…えっ!?』

誰…っ。

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