いまだ知らない、恋心。【短編】
「…だから触んないでって言ったじゃん!!」
「これぐらい我慢できるんやろ?」
こいつが話しかけて来るようになってからもう5ヶ月。
私の気持ちは変わり始めていた。
何かこいつといると楽しいのだ。
人懐っこいし。
楽しそうな顔しかしなかったから、結構楽だった。
楽しかった。
ただそれだけだった。
恋愛感情なんて物は持ち合わせてないと思っていた。
なにせ、親に絶対結婚なんかしないと公言したのだし、私には必要のない感情だったから。
何より男が嫌いだったしね。