いまだ知らない、恋心。【短編】
「おーい。んーと、中筋(なかすじ)さぁん。起きろー。」



だから、話しかけられるのも嫌いだった。



「んー?」



思いっきり嫌な顔をしてやる。


まぁ、実際嫌だし。



「中筋…中筋…なか…すじ…スージー!君これからスージーな!けってぃ!?」



は?何急にこいつ。あたまバックレてんじゃねぇ?ぼーっとしている頭で話しかけてきた男子を識別する。


あ、こいつ。私の斜め後ろの席にいる、えーと、名前…か、か…あぁ、そう。クラスで1番人気の神崎(かんざき)?だっけ。



「じゃ、スージー質問!」


「何?」


「スージーはなぜいつも寝ているんや?」


「眠いから。それだけ。」


「何で眠いん?」


「そこまで教えてあげる義理はないよ。」


「まさか、夜の…」


「変な方向に話を飛ばすんじゃねぇよ。2度とその話題だすな。」



ちょっと東京弁ですごんでやった。


大抵の大阪人は東京に敵対心を持っているから、これをするとほとんど話しかけて来なくなる。


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