いまだ知らない、恋心。【短編】
「スージーも人間やん。」



そう来るか。



「だから何。」


「自分も嫌いなんかなぁって。」


「そうなるね。」



本当に何なんだこいつ。


「スージー、もうそろそろ移動せんと礼拝間に合わんで。」



あぁ、お前のせいでまた睡眠時間が減っちまった!


安眠妨害野郎が!



「はよいかな間に合わんって。」



神崎は私の手首をつかんで走り出した。


触るな、と言ったはずなんだけどな。


さすが神崎。


聞いちゃいなかったか。

礼拝とHRが終わったら即お手洗いで石鹸で手首洗わなきゃ。


潔癖症って訳ではないんだけど、男子とかに触られるとやっぱり気分が悪い。



とにかく、神崎は訳のわかない“人間”だった。
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