Ultraviolet
それを恋かと問われると正直返答に困る。YESのようでもあり、NOのようでもある。その気持ちが恋なのか、恋でなければ何なのか。あの頃から未だに、わからないでいる。

恋愛の定義が性的欲求を相手に感じるかどうかにあるのなら、恋愛ではないと言い切れる。桜相手にそんなものを感じたことは一度だってない。そんなもので私達の関係を汚すのはごめんだ。

だけど、強い独占欲と嫉妬心。それは恋愛のそれとよく似ていた。見返りを求めない家族愛じゃない、友愛と呼ぶには重すぎるこの感情に名前があるのなら誰か教えて欲しいと本気で思った、だって私はその答えを何度も求められることになったから。毎回なにも答えられずにいた自分が悔しくて歯がゆくて、だけど的確な言葉は生まれることなく、今もまだその答えは見つからない。

私はふとした時に桜吹雪のあの景色をいつも思い浮かべるけれど…、私達の関係はあんな綺麗な景色などではないと、その度に思う。適度な量は殺菌作用など人の役に立つけれど、大量に浴びると体をどんどん蝕んでいく紫外線、それに似ているんだ。
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