Ultraviolet
紫外線…ultraviolet。
私と桜が好きだった小説のキーワードだった言葉で、以来何となくお互いこの言葉の響きが好きだった。殺伐とした虚無感がその言葉の裏に見え隠れして、その空気が私達はなんだか好きだったのだ。

桜が好きな曲を選んで一枚のCDに焼いてくれた時、そのアルバムタイトルには「ultraviolet」と書いてあった。絶対に必要だけど大量に浴びると毒になる、そんな意味を込めてタイトルを決めたと聞いた時、まるで私達を表している言葉のようだと思って内心苦笑いした。私達は、今もお互いを蝕んで生きている。きっとこの先もずっとずっと。
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