天使のララバイ


…と、そこまで考えてはっとする。


これじゃまるであたしは天使の存在を認めたようなものだ。


まだ空を飛ぶ姿を確認してもいないのに。


大丈夫、飛べやしない。






ある意味祈りにもにたその考えだったが、



その祈りが届くことはなかった。



彼は、浮いていた。


「う、そ…」




「これで信じてくれた?
僕は天使だよ」



あぁ、夢でも見ているのだろうか。



わかっているのにそう言いたくなるのは仕方がないこと?



「ありえない…」

目の前で天使が飛んでる。

「ははっ、動揺してる?」

この状況をどうしたら動揺せずにいられるのか、方法があるなら知りたいくらいだ。


よく晴れた冬空に浮かんでいるひとりの天使。





それはあまりにもキラキラしすぎて高二にしてすさんでいた私には眩しすぎたんだ。


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