天使のララバイ
あたしの部屋の前でヒラヒラと手を振る彼。
どう考えてもおかしい。
「…あんた誰なの?」
「俺?誰だと思う?」
気持ち悪いくらい爽やかな笑顔で笑う不審者は正直怖い。
だけど弱気な部分を見せたら、どうなるかわからないから顔だけは平静を保とうと必死だった。
別に、殺されなければどうなったって構わないんだけど。
こんな不審者に殺されて死んだら、すべてが台無しだ。
「わからないようだから3択にしてあげようか」
「はぁ?」
いきなりなんなんだ。
「いーち、変態ストーカー。
にー、強盗。
さーん、天使。
あ、簡単すぎた?」
目の前の不審者はそう言って無邪気に笑う。