天使のララバイ
「ねぇ、その顔やめてくれない?
被害者ぶるのもいい加減にしな。
被害者はアタシ。
あんたは加害者の娘」
彼女は笑顔を崩さない。
反対にあたしの顔はどんどん崩れていく。
泣くな、自分。
泣いたら負けを認めることになる。
ねぇアキ。
もしアキが本当にあたしを守ってくれるなら。
これがアキのいう『不幸』なら。
早くここから連れ出して。
そう願わずにはいられない。
…天使に助けなんて求める気はなかったのに。
結局のところ、あたしは弱いみたいだ。