天使のララバイ


天使はうーん、と少し考えて

「俺さ、天使だって言ったけど魔法使いではないんだよ。

だからさ、犯罪紛いのことは天界規則に違反しちゃうんだよね」

残念そうに呟く天使。



だけど、そんなものに騙されてたまるか。


「じゃあどいて?」



「えー。うーん…


あ!目の前で飛んで見せる!
それじゃ駄目?」




「…まあ、いいかな」


そう言った瞬間天使の顔は、ばあっと明るくなった。


あ、失敗したのかも…


さっきの鍵はもともと出来ないことを見越して言ったものだ。


いくら天使でも、と思って。



だけど空を飛ぶなんて天使にとっては簡単なことじゃないか。



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