【続】お前は絶対俺のもの
「ここが俺ん家。」
駅から歩いて5分のところにある12階建てのマンション。
その最上階に陸の家があった。
「おじゃましまーす…」
陸の家はすごく片付いていてさっぱりとしている。
必要なもの以外置いてないって感じ。
だから数学の資料がいっぱいあった。
「そこのソファーかなんなに座ってて。」
そう言われてそばにあったソファーに腰掛けた。
ぐるりと部屋全体を見渡してみる。
ここでいつも陸が生活してるんだ……
そう思うとここがすごく愛しく感じた。
ソファーにあったクッションからはいつもの陸の甘い香りがした。
陸の匂い………
クッションをぎゅうと抱きしめた。
トントントン……
ん?
キッチンのあるほうから何か音が聞こえてきた。
音のするほうにいってみると、陸が包丁片手に野菜を切っていた。