闇を照らす光


「行くの?」


心配そうに聞かれて、陽菜は少し苦笑いする。


「雨降りそうだよ。…それに、」


涙目になりながら止めようとする友達の美喜(ミキ)。彼女は陽菜の信頼する唯一の親友。


「大丈夫!美喜ってば、心配しすぎ。あいつらの用事も、すぐ終わるって」


美喜が続きを話そうとするのを、明るい声で遮る。


「でも…最近、この辺でも多いじゃない」


美喜の言葉に、陽菜は黙った。












半年ほど前から。



この町で、殺人事件が多発するようになった。



最初は一週間おきに、無差別に殺されていたのだが、今では毎日のように起きている。


殺人方法はさまざまで、人間にしては不可能な犯行も中にはいくつも合った。



警察もこれ以上の被害を避けようと捜査本部を立ち上げ全力で捜査してるものの、今だに犯人は捕まっていない。


 
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