闇を照らす光
ふと、陽菜は後ろを振り返った。
門の向こうに、人はいない。
だが、陽菜は何かを感じた。
ナンダロウ…。
ダレカニ…ミラレテ、ル?
喉をコクっと鳴らしたその時、三人がギギッと、屋敷の扉を開けた。
「さてと、そろそろやりますか」
「マジでやるの!?やるなら早くしようよ」
「やっぱ、言い伝え通り不気味な屋敷だよねぇ。マジで何かでそう」
三人は笑いながら屋敷の扉の前に立った。陽菜は表には出さず屋敷の雰囲気に恐怖を感じていた。
「あんたたち、ここって…」
「そうだよ、町に言い伝えられている呪いの館」
「呪いが本当かどうか、調べに来たんだよ」
「お前を使ってね!」
ドンっと三人に力強く押され、陽菜は屋敷の中に突き飛ばされた。
「ちょっと!」
「キャハハ、じゃあうちらの替わりに調べて来てね」
「あたしらまだ死にたくないしぃ」
「じゃあ、頑張って呪い死んでね。」
陽菜が立ち上がった時は、扉は閉められ、扉を引いても叩いても開ける事が出来なかった。
屋敷の中は恐ろしいほど暗く、静まり返っていた。
「そんなぁ…」
陽菜は力無くその場に座り込もうとしたら、ふとある音が耳を掠めた。
この場には似合わない、鈴の音が。