それでも私は恋してる
「帰るか」
そう言って先生が顔を上げたころには
時刻は7時を過ぎていた。
「お前も帰る準備しろ」
「は~い!」
私はとりあえずカバンを持って席を立つ。
「俺の車んとこで待ってろ。いつもの場所だから」
「うん」
私はそう言って教材室から出て行った。
「こんな時間まで大丈夫かな?」
ふと思ったことだった。
やっぱり先生と生徒バレたらまずい。
そしてそこで出てきたのは雅也の顔。
雅也は私のことあきらめてないみたいだし
いつ先生と私を脅すかもわからない。
そう考えると一気に不安が生まれた。
「私ったら余計なことばかり…」
考えなければいいのに考えてしまう。
心配性なところが私の良いとこでもあり悪いところなんだ。
「お待たせ」
「うん」
先生は車の鍵を開け助手席のドアを開けてくれた。
私は何も言わずに車に乗りこむ。