それでも私は恋してる

夕食




「じゃあニンジンの皮むいてくれるか?」

「うん!」



私は差し出されたニンジンを受け取り早速皮を剥き始める。



なんか変な感じ(笑)



自分の家以外で料理を作ることはないのでなんだか新鮮な気持ちだった。



まぁニンジンの皮を剥くのが料理かはわからないけど…



「できたよ」

「ありがとう。ついでに切ってくれるか?」

「はーい」



私はまな板を取るために先生の近くに寄った。

ふわっと先生の香りがする。



そういえば先生っていい匂いがするな。

香水とかつけてるのかな?



私はそんなことを考えながらニンジンを切る。



「手際いいな」

「そうかな?」

「これは将来楽しみだ」

「将来?」



誉めてくれたのは嬉しいけど将来という言葉に私はピンとこなかった。

先生は耳元でボソッと言う。



「将来結婚したら…」



ボッ///



私は一瞬にして茹でダコに。



「変なこと言わないで!」

「変なことってなお前…」

「ふんだ!」



私はそう言って先生から顔をそらした。




私はこの時気づかなかったんだ。

これが先生からのさりげないプロポーズってこと。

多分私の考えが幼稚だったからなのかな?





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