それでも私は恋してる
「さ…」
「さ…や…」
『明!』
ビクッ
突然の声に私は硬直する。
でもこの声が誰かはすぐにわかった。
「なんだ咲か…」
「なんだとは何よ?」
「べっ別に!」
ぎこちなく私はそう答えた。
『てか…最近明へんだよ?』
ドッキーン
自然に私の胸の鼓動は速くなった。
「へっ、変て何が?」
「なんか、ぼーっとしてさ…
何かに浸ってる感じ?
そうそう、誰かを思ってるみたいな?」
ドッキーン
さらに胸の鼓動は速くなる。
咲はどうしてこんなに鋭いんだ?
何故こんなにも私の考えてることがわかるんだ?!
「その様子だと何か隠してるね?」
『べっ別に!!ちょっとトイレ!』
私はこのままいたら、
何を言わされるかわからないと思い
教室を出て行った。