それでも私は恋してる
“失礼します”
と言って入ったものの
中には誰もいなかった。
「あっ…」
後ろから何かを思いだしたような声
もちろん先生しかいない。
「先生…?」
「そういえば今日は保健の先生いないから、出入り自由だったんだ…しょうがない…」
「ちょ、ちょっと!」
先生は1人ぶつぶつ言うと
私の腕を引っ張りすぐ近くのイスに座らせた。
もしかして…
先生が手当てしてくれるの?
願ってもないことではあるが
同時に少しの不安が生まれた。
「先生…」
救急箱をあさっている先生に私は話しかける。
「何?」
返事はするけど
先生はこちらを見ようとはしない。