それでも私は恋してる
「入るぞ」
「はい」
レストランに入るとすぐ
「いらっしゃいませ。なんだ幸教か…」
若い男の人が出迎えてくれた。
名前を知ってるってことはこの人が知り合い?
「何だとはなんだ?」
「はいはいすみませんね~それよりも、こちらの可愛い方は?」
そう言いながら私を見る。
可愛い方って私のこと?
「ああ、こいつは生徒」
「生徒?お前生徒に手を出すようになったのか…」
「ちげーよ」
その言葉に私は少し暗い顔をする。
一発なぐりたい…
「名前はなんて言うの?」
突然の質問に少し驚いたけど
「神崎明です…」
「明ちゃんか…俺は佐藤一也よろしく!」
「よ、よろしくお願いします」
一也さんは先生とは違ってとっても優しそうな人だった。
それに話しやすい。
顔も良いからきっとモテるんだろうな…
本当に先生と知り合いなんだろうか…
この2人の接点を私には想像することができなかった。
「早く席に案内しろ…」
痺れを切らしたのか先生は冷たく言う。
「相変わらず怖いんだから…」
「それを知ってるならわかるよな…?」
先生がそう言うと何故か一也さんの顔から血の気が引いた。
「こちらへどうぞ」
そして奥の方の部屋へ案内してくれた。