それでも私は恋してる



「どうした?」



また先生は聞いてくる。



「何でもありません!」

「そうか…何でもいいか?」

「はい…」



どうせメニューも読めないんだし

名前を言われたってわからないから

私は先生に任せることにした。



「すみません」



先生がそういうと向こう側から一也さんが現れる。



「決まったか?」

「あぁ…これ同じもの2つ」

「かしこまりました」



そういうとすぐ一也さんは席を離れた。



「嫌だったか?」

「え…?」

「こういう店…」



先生気づいてたんだ…

確かに私はこういうレストランとかは苦手。

おじさんの家にいた時何度か連れていかれたけど全然慣れない。



それに気づいてくれたということだけで私はとっても嬉しかった。



「苦手ですけど…先生がいるので大丈夫です///」



私…寒いぞ

こんなこと言ったって先生は喜ばないだろ…



「ありがとう」



?!!



意外な返事に私は驚いた。



「俺も神崎となら楽しいよ」



にっこり笑ってそう言う先生を見て

顔を赤くしないわけがない。



「先生…生徒に変なことを言わないでください!」



私はこれ以上は無理だと思いそう言った。





本当はとっても嬉しかったのに…






< 54 / 119 >

この作品をシェア

pagetop