それでも私は恋してる
「ハァハァ…どこ行ったんだよ!」
あいつが店から飛び出して30分
ずっと走りっぱなしだ。
『くそっ!』
ゴンッ
俺は近くにあったゴミ箱をけった。
俺は知っていた。
あいつの気持ち…
なのに
俺はあいつを傷つけた。
教師という壁が邪魔をしたんだ。
俺もあいつと同じ気持ちなのに…
俺があいつ…神崎明を初めて知ったのは学校ではなく
マンションの前だった。
春休み中だったため俺は暇を潰すために散歩に出かけた。
そこにあいつがいたんだ…
「可愛い~名前なんて言うの?」
犬に話しかけている少女
あまり見たことのないその姿に俺は惹かれた。