それでも私は恋してる



俺はその少女に気づかれないよう

少しずつ近づいて行った。



「本当に可愛い~うちのマンション犬飼えないからな~」



マンション?

ここに住んでるのか?



「あぁ~もう行かなきゃ!じゃあねワンちゃん!」



そう言って少女は去っていった。



「変な奴…」



その少女が少し気になったが

もう会うこともないだろうと思い

俺の記憶の中からすぐに消えていった。










でもその記憶はあっという間に蘇った。




そう…




あの入学式の日に。




教室に入り目の前に見覚えのある顔…

それがあいつだった。



そしてすぐに名簿を見た。



神崎明…



それがあの時の少女…

まさか生徒だなんてな;




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