それでも私は恋してる

誤解




あれから私はマンションに帰りひたすら泣いた。



わかっていた。

わかっていたけど辛い。



“言うな”



先生の言葉が頭から離れない。



振られるなら言って振られたかった。

何も言わずに振られるなんて辛すぎるよ…






次の日から私は先生を避けるようになり

最初はあんなに好きだった一番前の席も今はだいっ嫌い。



嫌でも先生が視界に入る。



だから私はなるべく見ないように下を向いて授業を受けた。



終わったあともすぐに咲のところへ行くようになった。



咲には何も言っていない。

多分咲は気づいてるんだと思う。



私のそばに先生がいたら



「トイレ行こう!」



って言って先生から遠ざけてくれる。

最初は偶然かと思ったけど日がたつにつれて

それが偶然じゃないことに気づいた。



咲本当にごめん…



いつかは咲に言わないといけないけど

やっぱり今は言えない。



だってまだ

先生を諦めきれない自分がいるから。





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