それでも私は恋してる



「雅也どうしたの?」



私が話しかけると雅也はようやく来たかという顔でこちらに向かってくる。



「どうしたのって…お前を待ってたんだよ…」

「は?」

「ほら行くぞ!」

「う、うん」



何故か私は雅也に腕をつかまれ、引っ張られるようにマンションに向かった。



「ねぇ雅也、咲と帰るんじゃなかったの?」

「まぁな…でも心配だったからさ」



龍也は少し照れくさそうに言う。



「何が?」

「何がって;お前もアホだなお前のことに決まってんだろ?」

「アホって言うな!別に雅也に心配してもらうようなことない…」



雅也に私は先生のことを話た記憶はない。

だからきっと知らないだろうと思ったのだ。



「嘘つけ…」

「はい?!」

「無理すんなよ…」

「無理なんてしてないし!」

「泣いてる…」

「え?うっ嘘!」



私は慌てて目に手を当てた。



本当に泣いている…

嫌だうち…雅也の前で…



「あはは…何で泣いてんだろ?目乾燥しちゃったかな?…あはは」



当然のことながらこんなことでごまかせるわけがない。

最後の賭というものだろうか?






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