それでも私は恋してる
「雅也おかしいよ…好きになるのは人の自由…雅也には関係ない…」
「俺は関係ある!」
雅也はそう言うと私の腕を引っ張った。
「雅也痛い!離して!どこ行くの?!」
雅也が答えることはない。
嫌!誰か助けて!
先生…先生!
『おい…』
ふと後ろから、低い声が聞こえた。
『先生…』
そう…それは紛れもなく先生だった。
いつもと同じ無表情だけどどこか違う。
瞳の奥に冷たさが込められていた。
「何だよ?お前には関係ないだろ…」
雅也ったら先生に何言ってるの?
「残念ながら関係ある…一応お前らの担任だからな」
「うっせーよ!もともとお前が明を傷つけたのが悪いんだろ!」
雅也は先生と言い争う気だろうか?
私は2人のやりとりをただ見ているだけだった。