それでも私は恋してる



「座れ」



先生はそう言いながらキッチンへと向かっていった。

私は指示された通りにそばにあるソファーに座る。

部屋は先生の匂いでいっぱいで

先生に包まれてるみたいで幸せな気分になった。



ようやく先生はキッチンから戻ってきた。



「お茶しかないけど」



そう言いながら手渡されたお茶を受け取り私は一口飲んだ。



部屋に重たい空気が流れる。

さっきよりも多分…重たいだろう。



静かだと変なことを考えてしまう。

なんで先生は教材室に私を呼んだのだろう。

なんで先生はあんなとこにいたのだろう。

そして



『こいつは俺のだ…』



って言葉。

期待してもいいのかな?

私だって女の子だもん。

そんなこと言われたら期待しないわけないじゃん…

その上部屋にも連れてこられたわけだし

余計に期待をしてしまう。



先生を見るとすごく険しい表情で

何を考えてるのかわからない。



全く私の気持ちを知ってて

どうしてこんなことができるのだろう…





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