それでも私は恋してる
「お前の考えてることはわかる」
「へ?」
険しい表情は変わらないまま言うその言葉は私には理解できなかった。
「何で部屋に連れてきたんだろうとか考えてるんだろ?」
「は…はい。確かにそうですけど…」
先生…わかってるなら早く教えてください。
緊張してるんですよ私だって。
「そんなせかすな」
私が思っていることが先生にはわかるのだろうか。
「俺だって緊張してるんだ」
そう言いながら先生は私の手を取り
先生の胸へと導いた。
“ドクン”
先生の鼓動が伝わってくる。
本当に速い。
その速さが私にも移ったのか
私の鼓動もどんどん速くなっていく。
先生は私の手を離すと私を後ろから包むように抱きしめた。
「先生?!」
何が起きたかわからない私は驚き顔を赤くした。