それでも私は恋してる



「神崎…聞いてくれ」



先生の息が頭にかかる。

それだけで私の鼓動はさらに早くなる。



「お前が俺にいいたいことはわかる…」



何回目だろう?

この言葉を聞くたびに私は少しずつ傷ついていく。

私は急に怖くなりぎゅっと目をつぶると

先生は抱きしめる手を強めた。



「先生…?」

「なぁ…今俺のことどう思う?」



衝撃的な質問だった。

私は素直に答えていいのかわからなかった。

迷惑かもしれないという気持ちが邪魔をしたから。



「素直に言ってくれ」



先生のその一言に私の何かがはじけた気がした。



「好き…大好き!…好きで好きでしょうがないんです!ふぅっ…」



私はやっと言えたことに安心したのか

涙が溢れて止まらなかった。

先生からの返事はない。

私は泣いたまま後ろを振り返り先生の顔を見た。



「先…生?」



先生は何故か顔を真っ赤にしていた。




< 82 / 119 >

この作品をシェア

pagetop