それでも私は恋してる



「お前…な…」



顔を真っ赤にしたまま先生が言う。

どうしたのだろう。



「キャッ」



先生は私の体の向きを変え今度は正面から私を抱きしめた。



「本当にお前はすごいな…」

「何がですか?」



先生は私を抱きしめたまま答える。



「いっつもは静かでおとなしいのに急に強気になったり。今みたいに素直に気持ち言えるとこ…」

「先生が言えって言ったんじゃないですか」



私は頬を少し膨らませながらいった。



「そういうところなのかな…」

「…?」



次の瞬間思いもよらない答えが返ってきた。



『そういうところが好きなのかもな』



??????



い、いい今…

す、すす好きって…

言ったよね?



「せ、せせ先生?なぁに言ってるんですか?!」

「お前聞いてなかったのか?」

「聞いてましたけど…」



ということは先生は本気?

本気ってことだよね?



「先生…ちゃんと言ってくれなきゃわかりません」



先生は納得したような顔をして私を体から離し



『好きだよ』



目を見てそう言ってくれた。






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