それでも私は恋してる
「本当は俺も帰したくないんだけどさ…明日も学校だし飯食ったら帰ったほうがいい」
先生が私の頭を撫でながら言う。
先生がそう言うならしょうがない。
私はご飯を食べたら帰ることにした。
「そうだ」
「うん?」
「携帯貸して」
「携帯?」
私がカバンのポッケから携帯を出すと
ひょいっと先生がそれを取り上げた。
そして自分の携帯をだし何やら操作を始めた。
「よし。これ俺のアドレスと番号。何かあったらすぐ電話しろよ?どこにでもとんでくから(笑)」
先生が私に携帯を差し出しながら言う。
私は先生からアドレスを教えてくれたことになんだか嬉しくなった。
「わかった」
私は携帯を受け取りアドレス帳を見た。
“佐々木幸教”
ちゃんと入ってる。
やっぱり先生の名前があるっていうのは嬉しいものだ。