変わりたい *可愛いお姫様*
「雛姫はどこ行きたい?」
ふと覗きこまれた私の手元にあった雑誌。
グッと近くなる距離に…
フワッとなんだかいい香りがする。
「いい…香り…」
「は?」
不思議そうに見られて、
私は、ハッとして慌ててしまう。
「わっあの…ごめんなさい…なんか…
ヒ、ヒロくん…いい香りがしたから…」
「あぁーヒロ香水つけてんだよな?」
ケンちゃんが話題に入ってくる。
「いいなー香水つけてんだー」
瑠璃ちゃんの言葉に、ヒロくんは言う。
「つけてんじゃなくて、つけさせられてんの…」
つけさせらている…?
命令形?
…誰からの…?
ポツポツと浮かぶ小さな謎。