鈍感彼女と無口な彼氏 ★番外編★
「ねぇ飛鳥!」
氷を捨てに行った美緒が戻ってきて俺の近くに来た。
「何?」
「もう帰った方がよくない?」
…美緒の言う通りかもしれない。
これ以上風邪が酷くなる前に早退して体を休めた方がいい。
「うん、そうする。」
「うん!じゃあ早く帰ろう!」
美緒は俺の鞄と自分の鞄も持っていた。
「何で美緒も帰るわけ?美緒は授業受けなきゃ駄目だろ。」
俺がそう言うと美緒がキョトンとした目で俺を見た。
「もう授業終わったよ?とっくに下校時間過ぎてるもん。」
「……。」
「あれ?おーい!飛鳥ぁー!」
美緒の話が俺の頭の中にこだまする。
授業終わった?
下校時間過ぎてる?
「…美緒、」
「ん?何?早く帰ろうよ!」
「それを…それを早く言えぇぇー!!!!」
「キャァァ!!!」
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