オレンジ色に染まる

「え? だって……」


いいとこなのに邪魔が入った。チッと舌打ちが聞こえて、振り返ったら見ず知らずのおばさん。

……わわ、確かに、改札口じゃああたしら邪魔だね。


作り笑いで、すみませーん、と謝って、駅を抜けて今度こそ、谷野に自供を促した。

「だって、森島可愛くなったから、彼氏できたのかなと思って。そしたらおれ、迷惑でしょ?」

は、はぁ!?

「彼氏なんていないよ」


うん認めない。今までの流れで、いくらあたしが鈍感といえどさっきのメールは告白だって気づいたけど。

認めてやんない。

自分だって変わって、ひとのコトさんざんドキドキさせて、今まで緊張してできなかったメールもあっさり送ってきて、それなのにいつも通りで。

それでさりげにメールで告白、だなんて。


……直接言って欲しいよ。

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