オレンジ色に染まる
「……ッ」
何だよ、もうっ。
「やだ」
「え?」
小さく呟いた言葉に、谷野はあたしを解放する。
顔が熱いのは気のせいだって、そう思うコトにするとして、
「ミサキって呼んでよ」
そう言うと、谷野の頬まであかく染まった。
けどさ、今まで意地悪された分、このくらい、……いいよね。
「ばーか。美咲」
あっさり、あいつは名前を呼ぶと、に、と変わらないカオで笑った。
「だーッ、もう、ばか」
バシッとあいつを叩く。
「いッた」
そう言うあいつはそれでも楽しそう。
何だよこいつ、実はマゾ?
……んなワケないな。