恋の公倍数(受験生+塾講師)
勉強もできないし、愛想もなくて、髪も茶色い私にしつこいくらいに話しかけてくれた子。
「千夏~!!おはよう!」
私の為に一番後ろの席を取ってくれていた。
「ここが美春で、ここがまーちゃんだから!」
「え?まーちゃんここに座るの?」
千夏はニヤニヤと笑いながら、まーちゃんを見て手を振った。
「もう裏工作済みだから!」
「あんた最高!!千夏も、池田と頑張りなよ!」
池田というのは、千夏が片思いしている塾の先生。
英語担当で、私から見ればどこがいいのかわからない真面目君。
でも、結構生徒には人気があって、黒ぶちのめがねが印象的な人。
「今日、告白しようと思ってるんだ」
千夏の言葉に私は大声を出した。