恋の公倍数(受験生+塾講師)
「そこ。俺の席だろ!!お邪魔します~!」
まーちゃんは一番後ろの席に座った。
前の方の女子から、ここに座って~と声がかかったが、まーちゃんは後ろの席に来てくれた。
バスが進む。
私は千夏とまーちゃんに挟まれて座る。
「これはごほうびだ」
まーちゃんは私の太ももの上にシャーペンを置いた。
私がびっくりしてまーちゃんの顔を見ると、まーちゃんは人差し指を立てて、『シー』と言った。
「髪の毛、黒くしたんだな。俺の愛用シャーペンやるから勉強頑張れ!」
「汚いシャーペン!」
にくたらしいことを言う私の心の中をまーちゃんは知ってる。
私が泣いちゃうくらいに喜んでいること、きっと伝わってる。
まーちゃんにシャーペンをもらった。
いつも授業中、、まーちゃんが使っているシャーペン。