恋の公倍数(受験生+塾講師)




「そこ。俺の席だろ!!お邪魔します~!」




まーちゃんは一番後ろの席に座った。




前の方の女子から、ここに座って~と声がかかったが、まーちゃんは後ろの席に来てくれた。




バスが進む。


私は千夏とまーちゃんに挟まれて座る。




「これはごほうびだ」



まーちゃんは私の太ももの上にシャーペンを置いた。



私がびっくりしてまーちゃんの顔を見ると、まーちゃんは人差し指を立てて、『シー』と言った。




「髪の毛、黒くしたんだな。俺の愛用シャーペンやるから勉強頑張れ!」




「汚いシャーペン!」




にくたらしいことを言う私の心の中をまーちゃんは知ってる。



私が泣いちゃうくらいに喜んでいること、きっと伝わってる。





まーちゃんにシャーペンをもらった。



いつも授業中、、まーちゃんが使っているシャーペン。



< 19 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop