恋の公倍数(受験生+塾講師)



「美春は、昔の俺に似てるから考えてることすぐわかるんだよ!生意気で、ひとりで生きてきたような顔してさ。寂しくなんかないって言いながら、実は寂しくて仕方ない」





まーちゃんに似てる?



私が?




こんなにかわいくない私が、まーちゃんみたいな優しい人に似てるの?





「寂しくなんかねーよ」




またかわいくないことを言う。


でも、まーちゃんは見捨てない。




「わかってるって。お前の気持ちは・・・ お前が高校に合格しても、大人になっても俺はお前のことちゃんと見守ってるから。安心しろ!」




「嘘つき」





私は、まーちゃんのひざを叩こうとした。



でも、握りしめたシャーペンが邪魔で、途中で止めた。





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