恋の公倍数(受験生+塾講師)
「そのシャーペンで、受験頑張れ。絶対それを使うんだぞ。受かるから」
「テキトーなことばっか!」
言われなくても、絶対に使う。
受験だけじゃない。
ずっとずっと永遠に使い続ける。
私のお守り。
私の宝物。
「今日は夜遅くまで勉強会あるから、バスの中で寝てた方がいい。俺以外の先生が担当になったら、本気で怒られるから」
「あいよ。まーちゃんも寝なよ」
まーちゃんは、すぐにあくびをして、眠り始めた。