恋の公倍数(受験生+塾講師)
こうして勉強をしている時間に、世間では何が起こっているんだろう。
最近、テレビもあまり見ることができないし、乗り遅れてる気がする。
「お疲れさん。ちょっと背伸びするぞーーー」
急に大声が聞こえて、私は振り向いた。
私達の部屋に顔を出したのはまーちゃん。
ぐぐーーっと手を上に伸ばし、首を回す。
まーちゃんは廊下に立たされていた子を、部屋の中に入れた。
「10分トイレ休憩!その後、数学だからな」
「はーーーい」
まーちゃんの言うことは素直に聞ける。
不思議な人。
まーちゃんは、魔法使いのような不思議な力を持ってるんだ。