恋の公倍数(受験生+塾講師)
私は、必死に問題を解いた。
うろうろ歩いているまーちゃんが気になったけど、頑張っている姿を見て欲しくて、まーちゃんを見ずに問題を解き続けた。
トン
頭に・・・手。
「お前、派手なジャージ!気合が入っててよろしい」
しゃがんだまーちゃんが耳元で囁く。
急に涙が出そうになった。
こんなことは、今までになかった。
嬉しくて仕方がないのに、涙が溢れた。
スラスラと問題が解ける。
愛の力って凄い。
全然眠くないよ。
100点は取れなかったけど、80点も取れた。
まーちゃん見て。
落ちこぼれの私がこんなに良い点数取れたよ。
全部まーちゃんのおかげだよ。
「おう!やるじゃん!」
・・・おう、やるよ。
そんな風に嬉しそうに笑ってくれるなら・・・
もっともっと頑張るよ。