恋の公倍数(受験生+塾講師)
深夜の告白
質問会ではまーちゃんに近づけなかった。
私は質問したくもない佐藤先生に質問することになった。
質問会が終わると、もう深夜の1時を回っていた。
「ありえないくらい眠い・・・」
「早寝早起きしろとか言うくせに、こんな時間まで勉強させるなんて~」
口々にみんなが愚痴をこぼす。
私は深夜まで勉強したおかげで、まーちゃんの眠そうな顔を見ることができて満足だった。
まーちゃんは、廊下で一人一人に、おつかれさん、って言いながら笑顔をくれる。
「おう!お疲れさん!お前なかなかやるじゃん」
「ふふ・・・まーちゃん、私のこと見直した?」
一瞬だけの会話。
まーちゃんは、見直した見直したって笑いながら私の頭をペンで突っついた。
たくさんの生徒に声をかけなきゃいけないまーちゃんは、私が振り向くともう違う生徒と話していた。