恋の公倍数(受験生+塾講師)
「まーちゃん!!久しぶり!」
「おう!最近質問来ないなって思ってたとこだよ。その顔は、相当頑張ったんだろ。自信のある顔してるよ、お前」
まーちゃんは私のホッペをつねって、その後、頭の上に手を乗せた。
「美春が自分の力を出し切れますように」
目を閉じたまーちゃんが祈ってくれた。
「うん!絶対合格するから!!合格したらコロッケといちご返してよ!」
「それだけでいいの?もっと祝ってあげたいなぁ!お前の合格は、本当に嬉しいから」
まーちゃんの笑顔、もう見られないんだね。
もう塾に来ることがなくなる。
とうとう終わり。