ココロのイブキ
ガラッ
「あっ、おっせーよ」
『かっ!?』
叶イブキだ。
なんで、また……?
彼はいつも私が座っているイスに足乗っけて待ちくたびれたかのように私の方を見る。
「俺ずっと待ってたのに」
『……あ、そう』
「こころちゃん冷てー」
名前……
よく覚えてたね……
『1人になりたいんだけど』
「ねーこころ?俺こころの事もっと知りたい」
『知らせたくない』
「あーあ、こころちゃんてばツンデレっ」
何言ってんの?こいつ。
見た目からしてもだけど、超チャラ男。
「ちゅーした仲じゃ~ん」
『……』
うるっさいなぁ、ほんとどっか行ってくんないかな。
『早く帰ったら?彼女待たせてんでしょ』
「俺彼女居ないもん」
『うっそ』
「ほんと」
ピースしてニコッて笑ってこっち向かれても。
『……セフレばっか?』
「……俺のことそんな風に見てんの?」
彼はいきなり立ち上がって私の方へ詰め寄る。
「あんま舐めんなよ?」
真っ正面に立たれた。
彼の目は、
『どうしたの?』
「何が」
『なんか悲しいことあった?』
「は?」
『目が赤い』
充血してる。
涙……?