ココロのイブキ


「あっあのさ、茉莉委員会入ったじゃん?」
『え?そーなの?』
「さっき決めてたじゃ~ん」
『寝てたわ』
「やっぱりね、んふふ」
『で?帰り待ってる?』
「あー…いーよ!!先帰ってて?」
『あ、分かった』


好都合だ。
別に待ってても良かったんだけどね。


あの桜を教えてくれた野球部のマネージャーの子にも秘密の、桜並木の絶景ポジション。


あの子は桜を毎日グラウンドで見てるかもしれないけど、真上からの素晴らしい桜を知らないはず。


今からわくわくしてる自分がいる。


速く行きたくなって自然と階段を上る私の足が速くなる。


3階、一番奥、「東会議室」。


ここのドアはほとんど閉まっていない。


長机とパイプイスが並べられているけれど、ただ「あるだけ」の存在の場所。


校舎が広いっていうマイナスポイントは、こうやってどうしても使われない部屋が出来てしまうことだと思う。


この場所を愛用してる私にはとてもいいことだけど。


ガラッ


ドアを開けて、きちんと閉めて、長机に自分の鞄を置く。


そして、いつも座っているパイプイスに腰を掛け、窓を開ける。


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